前回に引き続き、「賢者の弟子を名乗る賢者」のアニメと原作を比較検証。
原作どうり
冒頭シーン、マリアナが掃除をするシーン。
原作でも掃除をしていた様子が書かれている。
謎の食事支度
主の為に食事の支度をしているシーン。
主がいないのに食事を用意する意味がわからない。
原作では料理を作っていたという描写はない。
消えた絵画
上の画像と比べてほしいのだが、右側にあるべき絵画がなく、なかったはずの灯が突如として出現している。
王へ直行
ソロモン王とミラが出会うシーン。
原作から大きく変更されている。
原作では、ミラが森で目覚めて、シルバホーンという街にいき銀の連塔へいき、そこから馬車でルナティックレイクにいく。
という流れだが、いきなりルナティックレイクに行っている。
話を圧縮する為にいきなりソロモン王と会っているが、ソロモン王は国の王である為、ミラがいきなり王と会えるはずがなく展開としてはやや不自然に見える。
ルミナリア登場!
ルミナリア登場シーン。
原作では登場はもうちょっとあと。
貧相な食事シーン
ミラが茶色いなにかを食べているが、たぶん鶏唐。
ソロモンは、そう自慢しながら皿を一枚手にしてミラの左どなりに並ぶ。
「鶏唐とか、すげぇ。一流の鶏唐だ」
ルミナリアは、こんがり黄金色の唐揚げをミラの皿の上に載せながらそう言うと、自身でもまた唐揚げを頬張った。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 176P
原作ではもっと豪勢な食事が用意されているのだが、何故かアニメでは唐揚げだけである。
王の食事にしては寂しすぎる。
この方法では開きません
ミラが指で門を開けているが、この世界になってからこの門は指ではあかないはず。
塔鍵をアイテムボックスに戻すと門が閉まる。再び取り出すと開く。今まではアイテムボックスに入っていれば有効だったが、どうやら出さないと認識されないらしい。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 48P
絵画の謎
壁には絵画がある。
原作者の知らないエレベーター
原作者の知らないエレベーター再び。
絵画消失その2
絵画消失がここでも発生。
やっぱりない
やはり絵はない。
リボンの色は何色ですか?
マナリアのリボンが水色になっている。原作では赤。
言いながらメイドの少女は自身の髪を括っていた髪留めを片方外すと、ロープの襟元を絞るようにして留め直した。赤いリボンの形をした髪留めは、胸元でミラをより少女っぽく飾る。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 79P
セリフの意味
「わし、うそついた……」
原作にはそのようなセリフはない。
あと演技はまるでいたずらしてるような演技なのが謎。
もっと悲しくマナリアにうそをついてしまった、みたいな感じになるべきでは?
トイレシーン(2回目)
ミラがトイレに行くシーン。
男性が女性になったときにあるシチュエーションだが、そもそも1話でしてるし。
装甲車の色
装甲車だが色が違う。
その場に案内されたミラは、つや消し処理が施された随分と現代的に改造された黒い車体の前に立っていた。
それは全体的に金属で補強され天辺には特徴的な筒が覗く、もはや装甲車と同一といっても過言ではないものになっている。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 144P
そもそもアニメだとこの装甲車の登場が唐突すぎて原作未読にとってはなんでいきなりこんな現代風なものがでてきたのかハテナであろう。
ソファーという概念
装甲車の内装について、原作ではこうある。
装甲車の内部は、一般的な乗用車のように前後で分かれ、どっしりとしたソファーが置かれていた。
ミラは装甲車の外装を手の甲で軽く小突いてから中に入ると、そのまま柔らかいソファーに埋もれるように腰を下ろす。
ふかふかのソファー以外は、レザーとも木板による簡素な内装だが悪くないとミラは感じた。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 144P
ソファーの解釈にもよるが、アニメではおもいっきり普通の座席である。
また、内装がレザーと木板ではないように見える。
消えた装置
装甲車の前列
ミラは前列のガレットに目を向ける。ごちゃごちゃとした装置が並ぶその運転手に収まったガレットは、上機嫌にハンドルを握っていた。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 145P
装置ありますかね・・・?
ミラの早着替え
ソロモン王との会話では白ロープだったのが、装甲車のシーンでは服が変わっている。
ハンドル消失
ハンドルがない。
飛び上がるゴブリン
魔物が花畑で襲ってくるが、原作では花畑から移動した所で戦闘している。
数分して花畑の北側の林を走り抜けたアーマードジープは、平坦な草原に出る。するとその前方、距離にして一キロメートルほどの場所に、黒く蠢く群れを捉えた。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 239P
飛び上がるゴブリンその2
やたら跳躍力があるゴブリン。
四本足で地を駆ける魔物ダーティハウンドを先頭に、ゴブリンの亜種であるうアーチゴブリンが招待ごとに固まり続く。
そしてその小隊に守られるようにして中央に陣取るレッサーデーモンの姿をミラは捉えた。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻
ゴブリン以外にダーティハウンドという魔物が原作にはでているが、3D予算がなかったのか、いない。
全身鶏
レッサーデーモンがコカトリスを召喚する所だが、コカトリスの姿が違う。
轟く魔物の群れの奥、そこには雄鶏に似た上半身と、トカゲのような下半身を持つ怪物の姿があった。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 246P
どうみても全身鶏です、本当にありがとうございました。
両目成敗
原作のシーンは以下。
召喚完了から数秒と待たずに、コカトリスの片目を斬りつけたのだ。魔力を秘めたコカトリスの目は石化の特殊能力を有するが、それは左右が揃っていなければ発動しない。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 248P
何故か両目を斬っている。
ダークビーストの描写不足
ダークナイトの描写
召喚時に飛び散った魔力が、血のようにべったりとダークナイトに張り付き、まるで呼吸をしているかのように淡く明滅する。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 262P
3Dだからかしょうがないが、原作ほどの異様さはだせてない感はある。
光線の発射方法
ダークビーストが光線を放つ所だが、原作ではこうである。
コカトリスの巨体が傾くとほぼ同時に、ダークビーストは四本の足をしかと大地に突き立て、咆哮するかのように口を裂けんばかり開く。するとその喉奥から、ちらちらと刺々しい光が漏れ出した。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 266P
というか、この花畑の戦闘シーン全般に言えるのだが、全然原作と違う。
別に変えるのがいいのだが、それによって戦闘がしょぼくなっているのが問題である。
謎の送還
ダークビーストを送還するシーン。
原作ではもう一度光線を放とうとしていて、長時間チャージしているので危ないということで送還するのだが、アニメだとよくわからないことになっている。
軍勢とは
ダークナイト1人でダークコカトリスを倒ししまう。
傷だらけでも膂力に勝るコカトリスだが、それを上回る数の暴力に膝を屈し再び地に倒れる。するともうコカトリスに抗う術はなく、群がる黒騎士によって再生力では補いきれない斬撃と刺突を全身に浴びる。コカトリスの身体の所々から血が噴き出し、大地を瞬く間に赤黒く染めていく。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 270P
原作はかなりエグい描写になっているが、アニメだとかなりあっさり目である。
3D的なばらばら
いかにも3Dみたいなバラバラ具合である。
ソロモン王の解釈違い
わくわくするソロモン王だが、わりとアルカイト王国の状況は深刻であり若干違和感がある。
ミラはファイルを閉じると、一呼吸置いてソロモンの真剣な瞳を見つめ返す。
賢者の弟子を名乗る賢者 1巻 163P
この原作引用部分だとよくわからないかもしれないが、状況は以下である。
大規模な戦争があったあと、各国で限定不戦協定を結んでいてあと1年で協定が切れる。
九賢者がいないアルカイト王国は協定がなければ攻められるのは明白で、ソロモンはわりと焦っている。
そこにダンブルフがぎりぎりの所で帰ってきたので他の賢者を探すように依頼する。
原作を読んでいるとソロモンはゲームが現実になって苦労し、国を本気で守ろうとしていると読めるので、このアニメの描写が軽く見える。
絵画消失その3
もうおわかりですね?
2話のまとめ
アニメ1話ではアニメオリジナルをかなり入れた為、原作消費ページでいうと10ページぐらいだった。
しかし、アニメ2話のラストシーンは1巻ラストである。
もちろん2話で300ページ分すべてを消化できるわけはなく、かなりすっ飛ばされる部分が多い。
中でもこれ重要な所なんじゃないか、という部分も飛ばされているのでかなり不安を感じる。
あとはキャラ解釈もなんか原作と違うなぁという印象がある。