この記事を書いてる時点でもうぼっち・ざ・ろっく!5話が放送されているのだが、改めて4話が素晴らしいのでどこが素晴らしいかを映像表現の観点から見てみる。
特に喫茶店のシーンが秀逸すぎて何度も見ちゃうぐらいに好き。
11月8日11時59分までは無料でニコニコで見れる。
ぼっち・ざ・ろっく! #4「ジャンピングガール(ズ)」 – ニコニコ動画 (nicovideo.jp)
冒頭
冒頭は雨の中で山田リョウ(以下、リョウ先輩)がポスターを見ているシーン。
この段階で4話がリョウ先輩の個別回というのがわかる。
あと雨が降っているのは4話の最後の晴れのシーンとの対比構造になっている。
また、BGMは喜多郁代(以下、喜多ちゃん)のギターであるが、冒頭このシーンは素人目に聴いても下手である。
が、最後の晴れのシーンでは上達しており、映像と音楽両方の対比構造になっている。
バンドミーティングのシーン
バンドミーティングの会話シーンの画面構成が良い。
真ん中が結束バンドをまとめる伊地知虹夏(以下、虹夏)が真ん中で、右にリョウ先輩に左に喜多ちゃんとぼっちがいる。
分断とまではいかないが、バンド内で壁があると見える。(それをつなぐ虹夏という構造)
一旦引きのカットが入るが、ここだけみるとそんなに各キャラが離れていないのがわかる。が、このあとのカットによって各キャラの距離感がわかる。
虹夏がよりバンドらしくなるにはといって、リョウが喜多ちゃんと二人に目線を向ける。
喜多ちゃんとぼっちが能天気に拍手している所をちょっと冷めた目で見て、目線を外す。
特にセリフはないが、これだけでバンドらしさについて何かしら思う所があるリョウの心理をしっかり表せている。
そしてOP。
ぼっち・ざ・ろっく!ではOPで各話タイトルを表示しているが、ご丁寧に色をキャラに合わせてくれている。
4話は青なのでリョウ先輩回である。
OP終わったあとのカット。
引きのカットでは感じなかったが、このカットでは各キャラの距離が離れているように感じる。
特にぼっちは虹夏から一番離れており、対面にもいないのでより孤独感が増している。
結束バンド、喜多ちゃんにだけ黒がないのは黒い所がないという暗示と読むにはちょっと深読みすぎるか?
虹夏がぼっちに作詞大臣に任命される所。
ぼっちを書かずに結束バンドだけ置くことでよりぼっち感が出ていて素晴らしい。
ぼっちがバンドらしい歌詞書いちゃいますから~と言ったシーン。
手の動きとリョウ先輩の「らしい」だけで十分不穏な感じが伝わってくる。
以上がバンドミーティングのシーンだが、ただの会話シーンだけでなく画面構成でバンドの状態を、ちょっとした動きでリョウ先輩の不安感を描いている秀逸シーン。
きららジャンプシーン
ぼっち達が下北沢でアー写を撮るシーン。
ぼっちは木の色の濃い場所にいて暗さを表す。
虹夏ちゃんのスマホiPhone。リョウ先輩はAndroidっぽい機種で解釈一致。
全員が座っているシーン。ぼっちだけ地面にお尻をつけている所が個性を表していて良い。
OPでも使われているきららジャンプのシーン。今まで端にいたぼっちが虹夏とリョウ先輩の二人に手を引かれてジャンプしていると思うとなかなか感慨深い。
虹夏がバンドらしくなってきたといったトタンに消えるリョウ先輩、流石である。
リョウ先輩とぼっちの喫茶店シーン
そして!第4話というかぼっち・ざ・ろっく!全体を通しての秀逸シーン(になる予定)がこの喫茶店のシーンである。
一個前のリョウ先輩が消えたシーンで喜多ちゃんが黒結束バンド巻いていて、このシーンはリョウ先輩とぼっちが黒結束バンドを巻いている。黒結束バンド=本音、本心みたいなイメージであろうか。
リョウ「ぼっち的にはこの歌詞で満足?」
ぼっち「ヒットしたバンドらしいのがいいのかと…」
この台詞をウケての視線移動。セリフがなくてもこの視線移動と表情ですべてわかるのがすごい。
ぼっち・ざ・ろっく!は結構デフォルメよりなキャラデザだが、セリフではなく絵の演技で説明できているのが見事。
過去を語り始めたときのカット。
リョウと虹夏の過去のシーンが終わったあとのカット。
上と比べるとより奥に向いているのがわかる。
過去を語ることの恥ずかしさでぼっちのほうを向けなくなったリョウの描写。たった少しの差だが、感情の動きを感じる。
リョウの「個性捨てたら死んでるのと同じだよ」のセリフを受けてリョウの顔を覗こうとするぼっち。
今までリョウの顔をまともに見れなかったぼっちだが、リョウの過去を知ってよりリョウのことを知ろうとするシーンエモいよね。
ぼっちが覗いてこようとするとノートを閉じて強いリョウを見せる、リョウ先輩カッコいい。
以上が、喫茶点のシーンであるが、アニメにおける映像による演技シーンとしてまじで秀逸だと重った。
喫茶店が終わったあとのカット。冒頭の雨のシーンとの対比の空。
BGMも喜多ちゃんのギターであるが、冒頭から上達している。
まとめ
リョウ先輩回でありながら、結束バンド全体の連帯感を高めつつぼっちの成長。喜多ちゃんのギター上達を表現した素晴らしい回であった。
ぼっち・ざ・ろっく!を日常ものとするかは微妙だが、日常系アニメの1話とみると映像レベルが段違いで高い。
まだあと7話ぐらいあると思うが、たぶんぼっち・ざ・ろっく!の最高傑作話になる気がする。
もちろん5話のバンドシーンもすごいのだが、それはまた別の話。